
27歳。大学時代のKENの後輩。出版社で雑誌の編集をしている。

29歳。ロサンゼルス生まれの帰国子女。スタンドアップコメディアンとして活動中。

JUN
はぁ……。

KEN
JUN、どうしたんだよ、ため息なんかついて。

JUN
そりゃため息だって出ますよ。この前、病院に行ったら……。

KEN
JUN、まさかお前……大丈夫か? 無理しなくていいからな! コーン茶飲むか? あったまるぞ〜な、コーン茶飲も。マスター、コーン茶ある?

JUN
いや、飲みませんから! 何か早とちりしてません? 虫歯が見つかって、憂鬱だって話です。僕、歯医者が大っ嫌いなんですよ。

KEN
なんだ驚かせんなよ。っていうか、歯医者を病院って言うなよ。てっきり、やばい病気でも見つかったのかと思ったじゃんか。

JUN
もし見つかったとしても、KENさんには言いませんからご安心を。

KEN
そんな悲しいこと言うなって。俺はお前にもしものことがあっても心の準備は万端なんだぜ。なぜなら、最近こんなジョークを仕入れたからな。酒場で飲んでいるアイルランド人がぽつりとこう言ったそうだ。「実は俺、もうすぐ病気で死ぬんだ。死んだら墓石に、この銘柄のウイスキーをグラス一杯かけてくれないか?」。するとイギリス人が「もちろん。毎年命日には必ずかけてやるよ」と言うが早いが、スコットランド人が切り出した。「俺もかけてやるよ。ただ、腎臓を一回通してからでいいかな?」。

JUN
3度の飯よりウイスキーが好きなスコットランド人らしい話だ。つまり、KENさんはウイスキーを飲むために僕のお墓参りに来てくれるってことですね。そりゃ色んな意味で泣けますね。

KEN
まぁまぁ、そう呆れなさんな。JUNくん、生きている人間は飲まなきゃならんのだよ。恐竜は全くビールを飲まなかった。それでどうなった? 絶滅しちゃっただろ? 人類は同じ失敗を犯しちゃいけない。ってことでカンパーイ!