
’70年代、大人の街だった原宿のムードが残る赤坂のジャズバー。

1977年に原宿の明治通り沿いにオープンしたジャズバー『ボロンテール』。2011年に赤坂に移転したが、今もなお’70年代の原宿の空気が残るバーだ。
カウンターの棚には3000枚ほどレコードが並び、ジャズプレーヤーの写真や肖像画が飾られているが、中でも目を引くのは、創業時からの常連で、コースターや看板のイラストも手がけたイラストレーター、和田誠さんの作品たち。
オープンした当時、神宮前交差点にはデザイナーやカメラマンなどクリエイターが仕事場を構える『原宿セントラルアパート』があり、和田さんがデザインしていた『話の特集』の編集部も入っていた。「当時は今とは違って、原宿、青山、六本木が大人の街でしたね」とオーナーの坂之上京子さん。
原宿時代と同じ建築士が設計した内装は、カウンター奥のアーチ型のレコード棚、足元には女性のためのハンドバックを置くスペースなど細部に粋なこだわりが見えるが、店内に流れる空気はスローでアットホーム。「当時はモダンジャズを聴かせるジャズ喫茶が多かったのですが、ヴォーカルやスウィング・ジャズなどジャンルを問わずに聴かせる店をやりたかったんです。必然的にお酒がついてくる感じですね」と坂之上さん。お酒を味わいに、会話を楽しみに、バーの用途はそれぞれだけど、肩肘張らずにジャズを楽しむのにこんなうってつけの場所はない。

東京都港区赤坂5-1-2 赤坂エンゼルビル2F
03-3505-0188
12:00~18:30、19:00~25:00
日休
Official Website
https://volontaire.jp/
ジャズがメインだが、時には京子さんが青春期に慣れ親しんだ「ザ・ビートルズ」や「ザ・ローリング・ストーンズ」などのロックもかけている。昼は弟の聡さんがカフェ営業しており、オリジナルソースが決め手のサンドイッチがおすすめ。