『TOP NOTE』

“トップノート”の魅力を伝え続けて30年。

銀座の伝説的な名店『MONDE BAR』で修行した武蔵昌一さんが営む『TOP NOTE』は、長年培ってきた技術と居心地の良さを同時に感じられる貴重な場所だ。
「家と店の中間のようなポジションでありたい」とお酒以外もお客さんからのリクエストに応え、今ではアラビアータ、キーマカレー、オイルサーディンのオーブン焼きなど、食事のメニューもずらりと並ぶ。
豊富なメニューにホスピタリティを感じるが、ウイスキーへの一本筋の通った愛はコースターに表れている。
柔らかいタッチで描かれたイラストはティスティンググラスで、店名はウイスキーから最初に立ち昇ってくる香りを意味する“トップノート”。日本ではウイスキーをショットで飲むのが主流だった30年前にも、香りの奥深い世界を愉しもうという姿勢が詰まっていた。
「イギリスのパブのようにふらっと立ち寄れる場所でありたいけれど、敷居が低すぎても重要な話をすることができないから、ある程度はなくてはならないですよね」と武蔵さん。少しのハードルを越えて馴染みになった店でこそ生まれる会話がある。
ウイスキーの香りに魅了されたのと同様にクラフトビールにも夢中になった武蔵さんは、8年前から醸造も始めた。いいものを生み出すために型に縛られていないところに余裕を感じて、憧れる大人像に出会えるというのもバーの醍醐味だと思い返した。

『TOP NOTE』
東京都港区北青山3-12-2 ふじマンションB1
03-3400-1614
17:00〜25:00
無休
1995年にオープン。あんず、ラズベリー、梅、湘南ゴールド、ワッサーといった珍しいフルーツ、鰹節などを漬け込んだジンも隠れた名物。