
過去と現在の音色をつなぐ渋谷の老舗ミュージックバー。

新しい店が次々立ち替わる渋谷明治通りの地下に、1971年の創業当初から変わらぬ佇まいで『グランドファーザーズ』はある。
店内に足を踏み入れた瞬間、大音量のレコードの音楽に包み込まれて50年以上愛され続けている理由はこの音にあるのだと納得した。
70年代から80年代に流行したロック、ポップス、ソウルから、ブルーノ・マーズのような現代の音楽まで、約2,000枚のアナログ盤コレクションの中から専属のレコード係がレコード一枚から一曲をルールに選曲している。お客さんのリクエストにも応じてくれるため、その場でしか起きない化学反応が味わえるのも醍醐味だ。「ここは音楽がかかっていなければただの古いバーです」と店主の石川徹さんは言うが、アメリカの大衆酒場のような天然木を基調とした使い込まれたウッディな空間も心地いい。1人でもグループでも行きやすい広々とした店内で、大きな音で曲がかかっているため、静かすぎず、初めての人でも入りやすい。
好きな音楽は親から子に引き継がれていくものだから、と石川さんが話すように、時が経てば経つほど選曲の幅が広がっていくのは長く続けているからこそ。音楽に耳を傾けるだけで十分楽しめるから、バーでの過ごし方に悩んでいる人も挑戦しやすい優しい老舗だ。

東京都渋谷区渋谷1-24-7 渋谷フラットビル地下1階
03-3407-9505
17:00〜26:00
月休
Official Website
http://grandfather.jp/shibuya/
店名はおじいさんが持っているLPレコードをかける店という思いを込めて先代が命名した。フードメニューの一番人気はあたりめ。ピンクのダイヤル式電話や洋皿の灰皿など昭和の雰囲気が漂うものが多く使われており、重厚感がありながらも親しみやすい。