
新宿の今を映す、現在進行形の昭和の文化遺産。

乗降者数が世界で最も多い駅としてギネス世界記録に認定されている新宿駅。常に人が行き交い、新しいビルや店が立ち並ぶ一方で、現役の老舗も数多く残っている。
新宿駅東口から徒歩2分、1966年創業のバーレストラン『サントリーラウンジ イーグル』もその一つ。雑踏の中でも茶目っ気のあるおじさんのイラストを探し歩けばすぐに見つけられるはずだ。このおじさんは看板だけでなくコースターにも描かれている店のシンボルで、作者は不明だが、子どもの頃に見たアニメや漫画の登場人物のよう。一度見たら忘れられないこのキャラクター同様に、内装もまた目を引く。長い階段を下った先にあるため隠れ家のような空間を想像していたが、豪華客船のバーをイメージした店内には、前後に開く自動ドア、高い天井にぶら下がる大きなシャンデリア、カウンター裏には石の壁があり、華やかな建築には昭和の面影が漂っていた。コース料理を楽しめるほどフードも充実していて、名物の10日間煮込んだビーフストロガノフや白髪ネギを巻いて食べる霜降りビーフは変わらない味で愛されている。
半世紀以上にわたり守り続けてきたインテリアやレシピには長い歴史が刻まれており、その雰囲気に親しみのあるベテランのバーテンダーや常連客がいるのはもちろん、若いスタッフやお客さんも多い。古き良いものを大切にしながら新しさも寛容に受け入れる、そんな新宿の土地柄が映し出されていた。

東京都新宿区新宿3-24-11 セキネビル地下1階、2階
03-3354-7700
17:00~23:30
不定休
Instagram
https://www.instagram.com/sl.eagle7700/
サントリー直営ではなく、長年の付き合いから店名がつけられた。ただ、サントリーのウイスキーやサントリーが輸入する洋酒を幅広く取り揃えており、良心的な価格で提供しているからサントリー好きには嬉しいお店であるのは間違いない。