港、山、異国情緒のある街並みなど、一度も訪れたことのない人にとっても洗練された印象のある神戸。三宮にある『BAR SLOPPY JOE』は、兵庫県加古川市出身の店主、信原邦彦さんが抱いていたそんな神戸への憧憬の念を詰め込んでいた。

「白髪になった頃の自分の姿が似合う場所にしたいと考えていたので、オープンした28歳のときは全く似合っていませんでしたね」と信原さん。オールドボトル、カクテルブック、アンティークの棚や照明など、クラシックなインテリアには古き良き神戸の港町へのリスペクトが込められていた。

　そして、コースターにもその気持ちが詰まっている。優しいブルーが特徴的なタータンチェックは、海、六甲山、ポートタワーや神戸大橋など神戸を象徴するスポットをイメージした色が使われた「神戸タータン」で、眺めているだけで神戸の豊かな自然や美しい景色が想像できる。

　実は信原さんもコースター集めが趣味で、入口の壁にはコースターがずらりと飾られていた。全国のバーに足を運んではいいところを学び、柔軟に取り入れているから、内装も接客も心地いい。カクテルコンテストへ積極的に出場しているバーテンダーが多く、オリジナルカクテルが多いからここへきたら真心がこめられた1杯をいただこう。1時間ほど立ち寄っただけにも関わらず、神戸らしさを満喫できた。