使った人のみぞ知るデキャンタからそそぐ理由。〈カンブリア・クリスタル〉のグラスミア スクエア スピリット デキャンタ。

海外映画でたまに見かける重厚感漂う社長室や書斎でデキャンタからウイスキーをそそぐシーン。利便性を求めがちな現代で忘れられている所作の美学というか、人目につかない“無駄”とも言える部分にこだわる姿勢に憧れる。ワインと違って底に澱が溜まらないウイスキーはボトルからグラスに直接そそいでも実際のところ問題ないけれど、美しく見せるために一手間工夫するのが紳士の嗜みだ。
そろそろ自分もデビューしたくなって、たどりついたのがイギリスのカンブリア地方に工房を構え、世界の英国大使館・領事館、王室の公式の晩餐会でも使われている〈カンブリア・クリスタル〉のグラスミア スクエア スピリット デキャンタ。鉛を30%以上含むフルリード・クリスタルという素材を使用し、グラスを吹く工程からカッティングの装飾まで、すべて職人の手作業で行っている。モノとして美しいから、眺めたり、移し替えながら触っている間に心にゆとりが生まれていることに気がつくはず。ずっしりと重みのあるデキャンタからそそいだウイスキーもなんだか輝いて見える。結果、いつもよりおいしく感じた。デキャンタからそそぐ意味は使って初めてわかるものなのだ。


カンブリア・クリスタル
1975年に創業した英国の伝統的なグラス文化を守ることを目的としたクリスタルウェアブランド。大英帝国時代の華やかな文化の中で生まれたブリティッシュスタイルの復活をコンセプトに掲げ、グラスには当時のデザインをベースにしたカットを施している。